君を失った時私は
もう歌など書けないと思った
描いた文字はあっと言う間に
灰色になってパラパラ落ちた
君を失った時私は
もう歌など歌えないと思い
それでもまるで恨みを晴らすように
孤独な塊をぶつけるように歌い続けた
歌うと言う事はどんな事だろう
それは自分の為に
それとも他人の為に
ある彼はそれまでの自分は
自分の為に歌って来たのだけれど
これからの人生は聴いてくれる人の為に
費やす事にしますと誓った
そしてそれを神様は聞き逃さずに
最速で彼の夢を叶えた
何故ならば彼は天に選ばれしもので
多くの聴衆は彼の再起を心から願っていたから
「時」は時にとても残酷だけど
時にもの凄く温かくて
私はそれによって癒され
遠い日々は想い出の中にしまい込んだ
少なくとも
悲しみを知らなかった私より
悲しみを越えた私は
以前よりとても自然に歌えるようになったから
一人でいる事と独りになる事と
勘違いしてはいけないんです
何処かで聴いてくれている人に
歌いたい事があると言う幸せを
届ける為に生きるのだよと
それを知らせる為に
わざわざ彼と出会わせてくれたんですね
神様なんていないなどと言った私に
まだ歌う時間を残してくれたあなた
やっぱりあなたはいるんですよね
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